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薪ストーブ考⑮ ~薪焚き人の1年~

薪ストーブオーナー(薪焚き人)になると1年を通じて忙しい。
常時薪ストーブや薪の事を考えてしまうようになってしまい、
情報収集に奔走するようになってしまうのだ。


なんかしら薪ストーブで
燃やしてもよさそうな木があると声を掛けたくなる。

『もし、よければでいいんですけど・・・
この木いらなかったらいただけませんか?』と・・・

飛騨の場合だとたいてい近くに人がいないことが多いので
声が掛けられないことが多いのが残念なところ・・・


そんなことはボーナス的なことで、
実際は自分で薪をつくるのが本来の仕事である。

と、いうことで薪焚き人の1年の
だいたいのスケジュールはこんな感じだ・・・



3月
ようやく冬も終わりかけの気配が・・・
しかし、飛騨の春はまだまだ来ない・・・
薪を焚く生活はあと少しだけ続く・・・

この時期になると薪が足りるかどうかというよりも、
なくなったらガマンだな・・・と
タカをくくってみたりする・・・

薪焚き人初心者マークの方の場合は、
シーズン途中で
なくなってしまう可能性もあるだろうが、
ベテランになると大抵薪は余る。
というか、余らせる。

そんな薪は来シーズンに回すのだ。
2年物の薪は最高にいい感じで燃えてくれる!
1月、2月のいちばん寒い時期用にキープだ。
(これが3年物になると虫に喰われたりで、
 良くなくなってしまうのが不思議・・・)



4月~5月
まず、春先になったら薪づくりだ。

事前に発注しておくのを忘れずに!

この季節伐られた木は春木と言って
薪には最適なコンディション。

短期集中でやってしまうにもまとまった時間が必要。
ゴールデンウィーク中の遊びと遊びの間の余った1、2日が
非常に有効な薪割りタイムとなる。

私の場合は4tなら1日で玉切りできるので、
休日1日だけを玉切り日に当て、
あとは早起きして斧でこつこつ割る。
2週間くらい毎日朝活である。

ただしいつも積み方が下手クソで、
数ヶ月たつと乾燥し縮んで
積んだ薪がバランスを失い傾き、倒れてしまう・・・
(小さい子供さんがいるおうちは
薪の積み方はしっかり安全に!)



ストーブ本体の掃除は
早目にしておいたほうがいい。

灰はアルカリ性であることと、
湿気を含みやすいので、
炉内に灰が残っていると
ストーブ本体が腐食してしまう
危険性があるので、
あまりよくない。

箒で掻き出してきれいにしておこう。

その時、できれば煙突を口元から外して
煙突側からも灰を除去しておくと完璧だ。
(完璧に火を落としてから何週間も経ち、
灰が冷え切っていれば
業務用の掃除機で吸い込んでもOKだ!)


煙突掃除はその時に
ついでにやってしまうのもいい。


ただし煙突の中に湿った
タール状のものが付着しているようなら
ひと夏放置して
乾燥させるのも手・・・



5~9月
薪ストーブの煤は酸性だ。
煙突トップに付着した煤が屋根に落ちると
トタン屋根が多い飛騨では錆びることがある。

天候の良い時期に屋根の点検をしておこう・・・

屋根の板金は厚さが0.35㎜程なので、
少しでも錆びるとよくない・・・

いちばん錆びやすいのは
板金を折ったところだ。

煤が付着してしばらく放置されたところは
平面部分でも錆びる。

錆びた個所を発見したら
丁寧にサンドペーパーでさびを落として、
さび止めを塗ってから、
ペンキを塗る。
(屋根の塗装をするには屋根が乾いていることが肝心。
 雨や朝露等で濡れているときはペンキがはじいてしまうので
 塗装できないのでご注意を!)




10月
煙突が詰まる箇所はたいてい
室内のシングル煙突とトップだ。
(2重煙突はほとんど詰まらない!)

我が家の場合は煙突掃除は秋口。
結構詰まるので煙突ブラシは途中でスタックしてしまい
大変なことになってしまうので、
取り外して1本づつにばらして
長い木のヘラでこそぎ落とす。

なぜ秋に掃除なのかというと・・・
掃除するのが面倒なことと、
アリになりきるのは
薪づくりだけで十分と言う気持ちもあり、
薪割りが終わればすっかり怠けてしまい、
キリギリス状態である・・・

よって、いつもシーズン直前か突入後に
あわてて煙突掃除を行なうこととなる・・・


それでも全然OKである。

シーズン途中でも煙突掃除をしなければなれない時はするし
(その場合は煙突の温度を下げる必要がある、
火を落としてから半日以上経ってからの作業となるので、
家族には少し寒い思いをしてもらわなくてはならないが・・・)
ガスケットの交換や、破損したパーツの交換等
薪ストーブのメンテナンスはしっかりやっている。




11月~3 or 4月
冬になって、本格的な薪焚きシーズンが始まれば、
あとは薪ストーブを使うことに専念できる。

ただし日々の薪運びは日課にしないといけない。
※どれだけの量を
薪ストーブの近くにストックしておくかで、
薪運びの頻度が変わってくる・・・
大きな炉台を造ったり、
薪搬入(ストック)口を造っておくと
そう頻繁には運び込まなくてもいいが、
結局必要な薪の量(燃やす量)は変わらない。

いつ運び込むか、
どれだけの頻度で
どれくらいの量を運ぶのかを想定して
家の設計に生かすのがコツ。





なんにしても1年を通じて
薪ストーブがらみの出来事は多い。
(焚くのは長くて5ヶ月くらいなのだが・・・)


毎年同じことの積み重ねではあるが、
ほんの少しの変化にも一喜一憂し、
少しづつ、ほんの少しづつではあるが、
薪の割方、積み方、薪ストーブの扱い方が上達して・・・


それらに関われる時間が
すべていいなぁ~、豊かだなぁ~と
感じとれる価値観や心の余裕が必要!


そう、薪焚き人は楽しく修行しているようなものなのだ。



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