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薪ストーブ考⑧ ~実は煙突によって薪ストーブの性能が左右される!?~

現代の薪ストーブは本当に性能がよい。





炉内の空気の流れを

うまくコントロールしていて、

ガラスがなかなか煤けない。


空気を極限まで絞って、

オーロラのような緩やかな炎を

誰でも簡単に作り出し、

楽しむことが出来るのだ!



そんな現代の高性能エアタイト薪ストーブでも、

持てる性能を最大限に引き出してやるには

煙突の性能を考えなければならない。





実は煙突はすっごく大切!

煙突の長さ、曲げの回数、施工方法も
薪ストーブの性能に大きく影響してくる。


煙を排出するのは煙と煙突の外の空気の温度差であり、
ドラフトと呼ばれる気圧差による上昇気流によるところが大きい。

ということは、二重煙突にすることが大切である。
特に屋根や壁の貫通部分は
熱の影響で屋根の木材が炭化したりしないように
施工しなければならない。

煙突経路は煙突掃除のしやすさや見た目を考えると、
まっすぐ一直線に上に伸ばすのが理想形だ。
上昇気流を阻害しないよう横引きや曲げが
極力少ないようにするのが望ましい。



冷たい外気の影響を極力受けないようにするために
チムニータイプにするのも有効だ。







ここ最近の『かさはらの家』の施工例で
実感したことは・・・
「うまい具合にドラフトを生み出すためには
煙突は長いほうがいい!」ということだ。


最近新築したばかりの
同じ機種の薪ストーブを導入した
二軒の家・・・

1軒目は2階リビングに設置した薪ストーブで、
煙突が通常より少し短かい。

もう一軒は1階のリビングに設置し、
2階の屋根まで伸ばして屋根貫通した標準的な長さの煙突。

どちらもまっすぐ立ち上げた経路・・・
違うのは煙突の長さくらい・・・

ドラフトの発生(煙の引きの強さ)が
全然違うのである。

ということは・・・
着火しやすい。
うまく燃えてくれる。
ガラスがすすけない。

いろんな違いがを発見できた。


短い方の煙突の薪ストーブオーナーは
実は、『かさはらの家』のスタッフ石井。

自らが担当したN様のおうちが
奇しくも同じ薪ストーブだったまではよかったのだが、
煙の引き、ガラスの煤け具合が
同じ薪ストーブでも
煙突の長さが違うと
こんなに違うものなのかと、
少しショックを隠せない様子・・・

あと1本外に二重煙突を足してやると
よくなるかもしれない・・・







煙突の気密も大切だという人がいる。

確かに隙間がある煙突よりも
隙間がない煙突のほうが
上昇気流に邪魔な空気の流れがない分
いいドラフトになるはず!

二重煙突のジョイントのところに
水道管のネジに巻く白いテープ
(シールテープというらしい
100℃くらいまで耐熱性があるらしい)
を巻くといいということを
以前ファイヤーサイド主催の
セルキルクという煙突メーカーの講習会に行った時に
超マニアックなストーブ屋さんが言っていた。


二重煙突ならそうやって気密措置を施せる。
(全部2重煙突にするという手もあるが、
高価な二重煙突を何本も
追加するわけにはいけない・・・)

室内用のシングル煙突や、
薪ストーブの口元の部分は
どうしても少し寸法的な余裕を見てあるし、
煙突そのものが熱で膨張するので
なかなか気密をとりにくい部分である。
(自在煙突なんかはその際たるもの・・・)

しっかり設定どおりの
ジョイントの重ねシロを
とってやることしかできないのが現状である・・・






煙突を健全に保つには
やはり煙突掃除だ。


最低でも毎年シーズン前に1回は行なうようにしたい。

二重煙突は基本あまり詰まらない。
詰まる部分はシングル煙突とトップだ。


煙突が冷えた状態でバンバンと手で叩いて
バシャバシャバシャーーー!っと煤の塊が落ちてきたら要注意。
このくらいで掃除しておくと後々手間がかからなくていい。

叩いても鈍い音がして煙突そのものが塊のような感触になったら危ない!
そうなるとうまく煙が排出されず、室内に逆流してくる。

シーズン中でもそうなったら即、煙突掃除だ。
こうなると煙突ブラシはつっかえて取れなくなる可能性があるので
室内煙突を外して長いヘラ等でこそげ落とすしかない。


この作業は吹抜けがあると結構大変・・・


煙突掃除は状態を見ながら早めにやるのが得策だ。





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