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薪ストーブ考⑦ ~薪はただ単なる燃料にあらず!~

薪を燃やすと暖かい!

ほんとうに暖か~い!!



その暖かさは何物にも変えがたい

やわらかさ、やさしさがある・・・





その暖かさを引き出すには

もちろん薪ストーブは必須であるが、

シンプルなモノだけに

薪の状態も重要なポイントとなる。


樹種、長さ、乾燥度合いが特に重要!






ということで、薪について・・・


薪に適した木は?

薪の樹種によって火の持ちは違う。

飛騨だと薪のチャンピオンは「ナラ」だ!
(コナラでもミズナラでもOK!

もう少し暖かい地域だと「カシ」の木だ。
・・・備長炭の材料。

近年ナラ枯れが南の方と、北の方両方から進行してきていて、
飛騨でも枯渇が懸念されるが・・・

火の持ち、煙の香り、薪割りの容易さ、入手し易さ・・・
すべてにおいて最高だ。



最悪なのは「クリ」と一般的に言われている。
ストーブの中で燃えている時は
パチパチいう音も心地よく問題ないのだが、
扉を開けたとたん火の粉がはぜる。
それでも割りやすくて、火の持ちはまあいい方だ。
たまに混じっていることもあるが
我が家では特に嫌がることもなく普通に使っている。


「キリ」の木も金庫の中に使われている素材だけあって、
表面が炭化しやすく、燃えにくい木と言われているが、
薪ストーブ内に閉じ込めて焚く分には問題ない。
結構油分が多くよく燃えてくれる。
ただし、軽いのですぐ燃え尽きてしまうのが弱点・・・


広葉樹でおすすめは、「りんご」の木だ。
燃やすとほんとにりんごのいい香りがする。
リンゴ園に近い人は剪定した枝を分けてもらうといい。
(燻製用のチップにも利用できるのでは?)







針葉樹だと手に入りやすさから言うと
「スギ」ということになるのだが、

やはり軽いせいか火の持ちはあまりよくない。
燃焼エネルギー = 木の重さなのだ。
(木が乾燥してなくて重いのはNG!)

よって針葉樹よりは広葉樹のほうが
重いので薪には適していると言える。

ただし、ここ最近人気なのは
針葉樹でも燃やせる
超高性能薪ストーブ。
針葉樹でもゆっくり燃やせて
いい感じの炎を見せてくれる。

・・・そんな高性能薪ストーブでも
広葉樹を燃やしたほうが火の持ちはいい。


他の針葉樹はというと・・・
「ヒノキ」は「火の木」というのが語源らしいし、
「マツ」は松明(たいまつ)という言葉があるように
どちらも油分が多い木なのでよく燃える。




薪の長さはすごく大切!
まず長すぎると薪ストーブに入らない。
(これあたりまえ!)
短かすぎるとすぐに燃え尽きてしまうし、
一気に燃えてしまうので、火力調整が難しい。

薪ストーブの能力を生かしてやるのなら、
カタログに書いてある
薪ストーブの最大薪長さ(最長投入可能長さ)
めいっぱいの長さの薪を使用するといい。

長い薪はほんとうに長時間燃えてくれる。



太さも結構火の持ちに関係ある。

着火の時には焚き点けから
徐々に薪の大きささを
細いものから太いものを積み重ねたり、投入すると
スムーズに炎が大きくなっていい燃焼に持っていける。

長時間焚いておきたい場合も
太い薪が必要になる。
(もちろん長い薪だ。)

割る時に焚き点けとは別に
大中小3パターンくらいの
太さをそろえておくといいかもしれない。






どんな薪でも乾燥させることが一番重要!

広葉樹でも針葉樹でも長くても短くても
絶対に守ってほしいのは乾燥させるということ。

乾燥していない薪を燃やすと、

燃えない!

火が点いたとしてもくすぶって煙だけが出る。

そうなると、ストーブの炉内や煙突にタール状の煤が付いて
掃除がホントに大変。

煙が煙突を通る時に急激に冷えると
(うろ覚えだが確か180℃くらいだったと思う・・・)
煤やスス水(木酢液)に分かれるのだが、
これが結構きつい酸性。
金属屋根を腐食させてしまうので大変なことになる。
ほんとうに要注意だ!



薪の乾燥は干す場所によってもかなり変わってくる。

日当たりのいい風通しのいいところに干した薪は
半年ほどで使いごろになってくれるし、

日当たりの悪い場所に干した薪は
2年くらい干してもまだ水分が抜け切れていないのか重く感じてしまう・・・



薪をよく家の外壁沿いに置いているのを見るが、
実は、薪のためにも家のためにもあまりよくない。
家の壁沿いだと片側が塞がれているので、
風通しが悪くなり、なかなか乾燥しない。

壁に密着しすぎていると、
陰になり白蟻が侵入するための
蟻道を作るのに格好の条件となる。

白蟻が侵入するための
目隠しを作ってあげているような物・・・

やむを得ず壁沿いに薪を置く場合は、
10cmほど離しておくことをおススメする。
こうすることで白蟻が嫌がるのと
目視で点検しやすくなる。

薪のためにも多少風通しがよくなり乾燥が進む。








なんと言っても薪は自分でつくる燃料・・・


どのように玉切りして、割って、乾燥させるかを
自分自身でコントロールできるのだ。

ただ単に作業として薪を割るのではなく、
どんな場合にどんな薪が必要になるかを
考えながら薪作りをすると
ほんとうに楽しくなるし、
使う時にも満足度が違う。







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