薪ストーブ考⑥ ~薪ストーブライフを楽しむためには炉台の設定は重要!~
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薪ストーブの炉台の素材はいろいろあるが、
火の近くなので、
基本は燃えないもので造るに限る。
石、
タイル、
レンガ、
土、
鉄、
コンクリート・・・
燃えないもの = 本物という訳だ!
木造の住宅だと壁や床が木なので
せっかく作った炉台から
木部に熱がダイレクトに
伝わらない工夫が必要だ。
薪ストーブの炉台は
一番熱を受けるところなので、
火災を起こさないために、
木造の建物ではかなり気を使う部分である。
炉台の造りが甘いと
(不燃材部分が薄くて
木部に密着していると・・・)
薪ストーブの熱を受け続け
家の構造である柱や
壁の中の下地の木材が、
低温炭化してしまい
火事に至ることがある。
『かさはらの家』の炉台の仕様は
床、壁とも空気層を設け、
暖められた空気の逃げ道を確保し
炉台の素材が蓄熱しても
極力木部に触れないようにしている。
薪ストーブの炉台は床の高さによって
造り方が3パターンに分類される。
好みの分かれるところでもあり、
リビングの床との高さ設定次第で、
薪ストーブの見せ方、
使い勝手、
寛ぐ方法等がそれぞれ違ってくる。
①一般的なのは床から1段上げた炉台
これは薪ストーブの見せ方としては
一番よく映える方法ではないかと思う。
メリットとしては薪ストーブのフォルムが
隠れずにすべて見えるのがいいところ。
お立ち台のように、
少し上がっているのでよく見えるという訳である。
中型のフリースタンディング式の
薪ストーブの高さは約60cm程。
少し上がった炉台に据え付けると、
炎が見えるガラス窓が
ソファに座って寛ぐと
ちょうどいい高さになる。
この炉台の場合は床組は
通常の高さのままで炉台を施工できるので、
自由度が高いのと
コストがかからないという
施工上、予算上のメリットもある。
ただし、段差があるので
足をぶつけたり躓いたりする
危険性がある事を忘れてはいけない。
室内で裸足の人は要注意である。
炉台の硬い素材に
足の指を強打すると
怪我をする可能性も大だ。
②人気なのはバリアフリー型の炉台
床とほぼフラットに設定した炉台。
引っかかったりつまずいたりする
危険性がないので安全。
通路に面している炉台は
このタイプにするといい。
床座で寛ぐ人にはちょうどいい高さで
炎を堪能することが出来る。
ただし、薪ストーブの廻りは
意外に薪の木屑や灰が
飛び散ったりするので、
炉台が汚れやすい。
床とフラットにすることで、
その汚れが床の方まで
飛び散ってしまうこともあるので、
ゴミ等をストップするために
ほんの少しだけ縁の部分に
段差を設けておくのがコツだ。
この炉台は床組を仕上げの
石やレンガの厚みの分
下げておく必要があり、
新築時なら比較的初期の段階で、
その範囲の床組みを
下げた設定にすることが必要。
リフォームならその部分の床をめくって
土台からやりかえることになり
少しコストがかかる。
③究極の理想形!土間タイプの炉台
土間に薪ストーブを設置したいというご要望は
薪ストーブユーザーにとっては、
究極の理想形とも言える!
広さや、リビングとのつながり等の
条件が合えば可能となるが、
なかなか条件的にも厳しいのが現実。
ただし、少ないながらも根強い人気がある。
土間そのものがたいてい不燃材で造るので
即、炉台として使えるようになる。
床との段差は下がることとなり、
その段差は30cm~40cm程となり、
腰掛けるのにはちょうどよい。
薪ストーブの炎を眺めながら
土間のヘリに腰掛けて・・・
いい感じである。
薪ストーブ周りの汚れも
段があるおかげで室内には来ない。
ただし室内側から見ると
下半分が床に隠れてしまい、
薪ストーブ全体が
見えないこともあるのをお忘れなく・・・
土間に薪ストーブというのは
究極の理想形・・・
実現するためには、
広い土間が造れる
大きなリビングがあることが必要。
3パターンの炉台の中で
一番コストがかかるのは言うまでもない。
薪ストーブの炉台の部分は
家全体の面積と比べるとほんのわずか・・・
ということは、高級な素材を使っても
差額はさほど広がらないということになる。
(ただし、少量発注になると
割高にはなることを忘れてはいけない!)
一点豪華主義で、
炉台はこだわって贅沢をしてみるのもいい。
本物の素材であるがゆえに
施工はDIYでも可能なものもある。
家づくりの思い出作りにも手づくり炉台はおススメだ。