薪ストーブ考②~ほんとうの豊かさとは・・・~
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火・・・
揺れる炎を見ること・・・
何も考えずボーっと、
はたまた何かを考え込みながら・・・
薪ストーブはただ単なる暖房器具ではない
そう括れない何かがある・・・
家づくりやリフォームをする時の
一番のこだわりポイントの一つでもある。
もちろん薪ストーブを設置しようと思ったら
本体、煙突、炉台と結構な費用がかかる。
さらに、家の間取りも薪ストーブに対応した間取りにしたほうがいい。
過剰なくらいに強力な暖房器具であるので、
思い切って大空間をとれるメリットもある。
家の大きさや、間取りによっては
薪ストーブ1台で家全体を暖めることも可能ではない。
薪ストーブはめんどくさい!
薪ストーブの準備は春先から始めなければ
その冬に薪が使えない。
乾燥させないといけないからだ。
切って、割って、積んで、乾かして・・・
本当のことを言うと2年くらい乾燥させた薪は最高だ!
程よく乾燥した薪は火の付きもよく、煤も出にくい。)
現代は、すべてにおいて消費・消耗していく時代だ。
スイッチやクリックひとつでなんでも簡単にすぐ手に入ってしまう便利さもあるが、
お金さえ出せば、あまりにも簡単に手に入ってしまう侘しさも感じてしまう。
もちろん工業製品である薪ストーブとて例外ではない・・・
ただし、なんだか薪ストーブの周りに流れる時間は緩やかなのだ。
そう感じてしまうのは私だけではないはず。
すべての薪ストーブユーザーはそう思っていることだろう。
まず、薪ストーブ自体の寿命が結構長いこと。
(高価なものだから大切に使うということもあるが・・・)
他の工業製品と比べるとずいぶん長い。
(我が家の薪ストーブは今年で18年目の冬を迎えたが、まだまだ大丈夫!
その間にガスケット交換、ガラス交換、ファイヤーバック交換等のメンテナンスはしっかり行なっている。)
年季の入った薪ストーブを見せてもらうと、
古民家のような何百年も風雪に耐え抜いてきた迫力さえ感じてしまう。
真新しさよりもお金で買えない価値のあるものがそこにある・・・
使えるようになるまでの面倒くささが、
家族の物語を次々に生み出すことにもなる。
薪割りも家族の年中行事にしてしまえば
家族がひとつになれるいい機会となる。
子供さんのお手伝いも去年出来なかったことが出来るようになったり・・・
家族の成長を感じられる基準にもなる。
子供さんが小さなうちから薪割りや薪ストーブの扱い方や、
危険であることを教えることはいい教育になると思う。
(刃物や火の扱いは今や学校では教えてくれないのでは?)
(自分が年老いた時の予防線にもなる?)
何よりも自分が割った薪も愛おしく思えてくるし、
意外なことに苦労して割った薪は
なぜか1本1本覚えているもの!
「ああ、この二股に分かれたヤツは
割るのに苦労したっけなぁ~」なんてことを
薪ストーブにくべる時に思い出すのだ。
スイッチひとつでは感じられない多くのことが、多くの思いが、
日々の薪ストーブ生活に詰まっている。
それを豊かさといわず何と言うのだろう。
便利なものは確かにいい!
しかしその便利さに勝る豊かさがそこにあるとしたら・・
不便だからこそ、それに関わる時間、
忙しい毎日の中でその作業をしている時は
時の流れが緩やかになる感じ・・・
その面倒くささが愛おしく感じる・・・
きわめて感覚的なことではある。
気分の持ち様ということも言える。
しかし、その不便さすら
楽しみに変えてしまう
超ポジティブな気持ちにさせてくれる
薪ストーブは暖房器具以上の装置である。
出来る人、出来そうな人には
薪焚き人になることを是非おススメしたい!
その先にある本当の豊かさ・・・
家づくりや、リフォームは
いいきっかけになるはず!
薪ストーブユーザーそれぞれが創り出す
豊かな生活・・・
豊かな時間・・・
そのための象徴としての
薪ストーブがあるのだ!