薪ストーブ考③ ~薪ストーブ導入のための間取り~
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薪ストーブ1台で家全体を暖められるというのは本当か?嘘か?
答えは本当でもあり嘘でもある。
なぜかというと薪ストーブを焚くと
輻射熱は意外に横には伸びないことがよくわかる。
暖かい空気は上へ行ってしまうので、
吹抜けがなくても2階がいつの間にか暖かくなっている。
薪ストーブを設置した部屋が2階と
階段や吹抜けでつながっている間取りでは
暖かい空気は上へ上へ上昇し、
上から溜まっていく・・・
そして冷たい空気を下へ下へ押し下げる・・・
「コールドドラフト」という現象が発生する!
薪ストーブを焚いて暖かいはずなのに、
リビング階段から冷気が下りてくるという現象だ。
このコールドドラフトは焚き始めによく起こる現象で、
焚き続けてやれば、
(上に溜まる暖かい空気が冷たい空気を全部押し下げてくれれば)
自然におさまるのである。
それでもやはり、室内の温度差というのは不快に感じてしまうものであり、
家の中での事故にもつながってしまう危険性も孕んでいる。
薪ストーブで暖められた空気をいかに下に送ったり、かき混ぜたりすることで、
家の中の温度差が出来る限り少なくなるようにするのかが大切。
そのためには間取りづくりが結構重要になってくる。
(もちろん断熱性能や気密性能も大切!)
『マドリスト』を名乗っている私としては、
いろんな工夫を施して、
薪ストーブを導入する以上は、
最大限に効果を得て、
いかに快適に生活できるかを
間取りで表現しなければならない。
しかし、ここ最近「吹抜けを造りたい」という
お客様のご要望が多いのも事実。
吹抜けを設けつつ
いかに家全体を暖めるかが、
間取りを考えるうえでの醍醐味!
ブログ上なので詳しい実例を
一つひとつ説明することができないが、
吹抜け問題を含めた、
薪ストーブを導入するための
間取りのアイデアとして
12のヒントをあげておく・・・
1.なるべく家の中心に薪ストーブを設置。
2.階段をうまく組み合わせる。(階段も吹抜けのひとつ)
3.少し低いプチ吹抜け。
4.家全体の容積を考える。
5.吹抜け+2階ホールに面した居室。
6.開閉できる吹抜け。
7.水廻り(風呂、トイレ)への寒くないアプローチ。
8.薪搬入のための動線。
9.炉台の段差の考え方。
10.土間があると便利。
11.煙突経路はまっすぐに。
12.煙突からも輻射熱。
せっかく薪ストーブを導入するのなら、
有効に恩恵にあずかれるよう、
考え抜いた間取りづくりを!