家を建ててから気づくこと⑪・・・木は反る、割れる、縮む!
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家を建ててから気づくこと・・・
新築して引渡しを受けて
住みはじめて・・・
すっかり家が完成したと思っていたら
実はそうではなかったという話し・・・
まず、建てたばかりの家というのは・・・
基礎のコンクリートや木材、その他の建材にも
かなりの水分を含んでいるもの・・・
昔の家づくりは山から木を伐り出し、
手作業で製材する工程を入れると
数年間はかかったと言われています。
その間に木材は乾燥し、
いい具合に家となっていったと考えられます。
現代の家は山からすぐに製材所へ
さらに人工乾燥窯に入れられ2週間ほどで
製品となります。
すぐすぐ使う場合はごくまれだと思いますが・・・
家の工事期間は・・・
早い場合は4か月くらいで完成してしまう・・・
伐採されてから1年もたたないうちに
家になってしまうというのが現実・・・
完璧に乾燥するには
ちょっと時間が足りないかなと思います。
ということは・・・
家を建てた後でも
木材の乾燥は進むことになります・・・
夜寝ている時に
「バキッ!」とか「ミシッ!」とかの破裂音がして・・・
びっくりして目が覚めるということが・・・
木は乾燥させてから使う!というのは
基本中の基本なのですが、
柱や梁といった大きくて長い木材を
完璧に乾燥するには
やはり、いい設備若しくは時間が必要!
木の乾燥にはいろいろな方法がありますが、
やはりいちばんは・・・
天然乾燥(ナチュラルシーズニング)です。
少し用途は違いますが、
入念に天然乾燥を施された楽器用の木材は
人工乾燥されたものと比べて音が違うらしいです。
ただし、昔からから1寸1年と言う様に
1寸(約3cm)の厚さの木材の乾燥は1年かかるという・・・
30cmなら10年!(経験上もっとかも・・・?)
長い月日がかかるけど・・・
木の本来の性質を損なわない乾燥方法が天然乾燥。
天然乾燥の方法のひとつに
山で斜面の上を向くように樹を伐採して
葉をつけたまま少しの間放置し、
葉の気孔から蒸散される水分をださせて
木の乾燥を早める「葉枯らし乾燥」という方法もありますが、
現代の(我々庶民の)家づくりの
スピードとコストにはついていけません。
時間と労力をいくらでもかけられる
超高級な建築物にはいいかもしれません。
その他の木材乾燥方法はというと・・・
高周波乾燥、燻煙乾燥、蒸気乾燥など
いろいろな木材乾燥の方法がありますが、
乾燥設備をつくるのにコストがかなりかかってしまいます。
『かさはらの家』が採用しているのは・・・
「高温乾燥」となります。
最初に100℃以上の蒸気で木材の中まで
到達するよう温度を上げたのち、
乾燥を進めていきます。
高温乾燥の利点としては・・・
まず表面が乾燥されて固められてしまうので、
材の表面の割れが比較的少ないことが挙げられます。
短時間で乾燥させることが出来るので、
コストの面でもお値打ちにできるということ。
ただし、欠点が・・・
乾燥窯から出てきた状態は・・・
見た目、焦げたような・・・臭いも焦げ臭いような・・・
木の香りがずいぶん違うものになっている状態・・・
短期間で乾燥させるので内部の乾燥ムラが生じたり、
内部割れと言って・・・
木を輪切りにしてみると年輪に対して放射線状に
細かく割れていることがあります。
木材の乾燥に関しては・・・
考えられるいちばんいい方法を絶えず模索して
今の方法に行きついているとはいえ・・・
やはり、建ててからも木の乾燥は進み、
少し反ったり、割れたり、縮んだりします。
家になって・・・
組まれて・・・
それでも少しだけ動いて・・・
そうやってだんだん家として馴染んでいくのです。
木材が家になるまでには(木が馴染むまでには)
建ててから数年かかります。
暮らし続けるうちに徐々に自分のものになる感覚・・・
それが木の家なんです・・・