“ヒュッゲ”を感じられる温もりの木の家
“ヒュッゲ”を感じられる温もりの木の家
高山市 T様邸
T様邸を訪れた人たちは口々に「心地いいね」「落ち着くね」と言いながら、薪ストーブを囲み、温かい飲み物とお菓子で何気ないひと時を過ごす。
寒さが厳しい高山の冬だが、外が寒ければ寒いほど、温かい家の中でくつろぐ喜びは深まるというわけだ。これぞまさに、今話題の“ヒュッゲ”である。
ヒュッゲとはデンマーク語で”居心地のよい時間・空間”という意味。
T様ご夫妻がそれを意識したわけではないが、お二人が求めていた暮らしをカタチにしたら、自然と時流にあったものとなった。
そもそもT様ご夫婦の家づくりへの情熱には並々ならぬものがあったという。
8年も前より自分たちの家には何が必要か?何があると楽しいか?を自問自答し、理想の家づくりの構想を練ってきたという。
10社以上の家を見てまわったお二人の心を打ったのが、当社のプランだった。
「とにかくカッコいい!と思いました。
そしてこちらの要望に対して『ムリです』とは決して言わず、他社で断られたことでも何とかできないかを一緒に考えてくれたこともうれしかったですね」とご主人。
そして信じられないようなご縁も…。当社設計の柳尾が住んでいる移築した古民家は、もともとは奥様のおじい様の家だったという。
更に導入をあきらめていた薪ストーブを、友人から譲り受けるという幸運にも恵まれた。
当社では薪ストーブの使い方の基本からメンテナンスまで手取り足取り伝授し、薪の調達も請け負う。
味わいのある薪ストーブコーナーは柳尾がひとつひとつ赤レンガの角を叩き落しエイジングを施し、ご主人と二人で積み上げた力作だ。
建具や食器棚は高山の家具職人であるご主人のお父様の手づくりで、壁の珪藻土は家族や友人、当社スタッフみんなで一生懸命に塗ったもの。
「壁を見るたび手伝ってくれた人たちの顔を思い出して温かい気持ちになります」と奥様。
身近な人たちの手も加わりながらの家づくりは、完成してしまうのが寂しくなるほど楽しかった、とT様ご夫妻が教えてくれた。
左)絶妙な位置、大きさで備え付けられた窓から、ダイニングにやさしい光が差し込む。デスクコーナーも便利。
右)天井、床との統一感を出したキッチンカウンター。隠すところは隠し、見せるところは見せるという計算。
左)天井も床も、木をふんだんに使用したLDK。薪ストーブの煙突と丸い大黒柱の相似が美しい。木目中心のフロアの中でヴィンテージ風のレンガがアクセントになっている。
右)機能性に富む2.6帖の書斎。壁に作りつけられた収納棚は納めるものの大きさに合わせて造作。ご主人の趣味の本などがキレイに収まり、探しやすく、戻しやすい。そのせいか、狭さが苦にならず、むしろ狭さにワクワクさせられる空間となっている。小窓もポイント。
左)薪ストーブの薪の保管場所として、またDIYの作業場として重宝している広い土間の倉庫。あえてガラス戸を設置し、LDKとつながっている感じを出したところがユニーク。書斎からも出入りできる。室内と室外があいまいで面白い。
右)寝室の隣に設けられた勾配天井が美しい洋室。右の窓から吹き抜けのリビングを見下ろせ、家の中から”自分の家をのぞく”という感覚が楽しい。ガラス窓なので開放感がありつつ開閉できて便利。下にある薪ストーブの温かさが伝わるため、冬場は洗濯物をここで干せばよく乾く。
左)トイレには落ち着いた雰囲気を醸す壁紙を選択。カウンターに上質な厚めの一枚板を持ってくるのは贅沢に感じるがそれも粋だ。
中)玄関横のシューズクローク付の土間はパントリーともつながっている。泥付きの野菜もゴロンと置ける。
右)玄関には節目のない木材のみを使用し、美しく洗練された印象に。白い塗り壁とニッチも調和している。
左)当初ガルバリウム銅板の予定だった外壁は、設計担当の柳尾が提案し、自ら施工も行った焼杉「ゆらぎ貼り」不均一さが味わいとなり、この家の個性にもなっている。
家づくりを終えて
「たんに”良い家が完成した”というだけではなく、これからの暮らしに広がりを与えてもらいました。
担当の柳尾さんには感謝しかない」と語ってくださったT様ご夫妻と、当社設計担当の柳尾(写真中央)
PLAN DATA
作業用の土間倉庫や、かなり広いウッドデッキなど内と外がつながる設計がT様ご夫妻のライフスタイルにマッチ。収納もたっぷり設け、目に入る情報をミニマムに。機能的かつ楽しさにあふれる家。
述床面積 144.08㎡(43.59坪)
建築面積 119.79㎡(36.24坪)
敷地面積 264.30㎡(79.95坪)
施工期間 6か月
家族構成 夫婦