エイジングを施して、古びた味わいを再現
使い込まれた風合いのある木造りの空間に薪ストーブ。独立を決めた7年前。すでに建てる自店のイメージはかなり固まっていたという店主。施工をオーダーしたかさはらの家の担当者には、ネットから拾い上げた好みの内装や壁面やドア、棚などの大量の画像を渡し、まずはイメージソースかを共有することから始めたという。「ものすごく僕の好みのテイストをつかんでもらえて、描いていた空間づくりを一緒に再現してもらえた感じで、かなり気に入っています」。古びた風合いを出したくて、綺麗に仕上がりすぎるプロの手はむしろ借りず、「外壁も内装も2人で塗ったんですよ」と笑う店主。コストを抑えることに知恵を絞った担当者がある日、梁をエイジング加工すべく調達してきたのが墨汁。これが功を奏し、うまく古びた風合いを醸し出すことでこの空間を引き立てる梁となった。日ごとにコーヒーの香りが染み込むことでより味わいのある店へと、この場所は育ち続けている。

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