住まい手の声

暮らしの輝きを支える家

高山市 I様邸

2002年 完成

ご自身の草木染め手仕事のための工房だけでなく、兄のレストラン開店などを見据えて、20年前に建築。その後娘さん夫婦の住まいになるなどの変遷を重ねて、現在は「いずれは空気の良い所で暮らしたい」という思いを叶えて岐阜市から移住を果たした治代さんが住まう。岐阜に住む夫との良好な関係を保ちながら、好きなことに没頭できる暮らしを楽しんでいる。

”この家には、特別な空気が流れているんです”
「朝目覚めると、したいことがたくさん浮かんで。毎日ワクワクした起き上がるんです」。古布や草木染の布を使った手仕事作家として活動を続けてきたIさんがこの家で暮らしを始めたのが2年前。ふき、つくし、よもぎ、くるみなど家の周辺に自生する草木で染めた布を使った作品作りはもちろん、再開した音楽の世界への探求が毎日の暮らしに輝きを与えている。「私にとってこの家は、特別な空気が流れている場所。作っておいて本当に良かったと思っているんです」。この家で布仕事に手を動かし、声楽のレッスンに通い、ピアノをさらう日々。次の作品展の準備を進めながら、年内の目標は自身の誕生日でもある12月25日の自宅演奏会。「たった一人で開催する」その日に向けてショパンの世界に向き合う。